フリーランスのGo求人案件の種類と市場動向
フリーランスのGo求人案件の種類と市場動向
目次
Go言語、別名Golangは、Googleが開発した静的型付けのコンパイル言語です。
Goは、小さいアプリ開発から大規模なシステム開発まで、すべてを一つの言語でカバーできる使い勝手の良さから、近年人気が高まってる比較的新しいプログラミング言語です。
また、Goはその学習曲線が比較的平坦であり、勉強が始めやすいことから、新たにプログラミングを習得したいフリーランスの開発者にも人気があります。
本記事では、フリーランスのGo求人案件の種類と市場動向について詳しく説明します。
また、Goの特徴や利点、案件の需要と人気の背景、Goの基本的な文法や開発ツール、求人案件の具体的な種類や相場、Go開発者のキャリアパスと将来展望についても触れていきます。
読み終えた時には、Goに関わる市場の全体像を掴むことができますので、ぜひ最後まで読み進めてもらえればと思います。
フリーランスのGo求人案件の動向
Goのプログラム言語の特徴として、拡張性が高くマイクロサービスやクラウドアプリケーションの開発といった幅広いサービスに活用できることから、大手システム会社やスタートアップ企業まで活用されており、バックエンド開発から、フロントエンド開発、データ分析、AI開発など、さまざまな開発プロジェクトで採用されてます。
また、Goはそのシンプルな文法から学習コストが低いため、既に異なるプログラミング言語の経験を持つフリーランスにとっても、仕事の幅を広げたり、市場価値を高める選択肢となっており、そういったスキルチェンジを図るフリーランス向けの求人案件も豊富にあります。
テックバレーのGo言語のフリーランス案件・求人一覧を見ると「426件」(2023年6月1日時点)となっており、SwiftやKotlinと並んでトレンドのプログラミング言語の一つであることがお分かり頂けるかと思います。
<参考画像>
Goの基礎知識
Goは2007年にGoogleのロバート・グリーズマー、ロブ・パイク、ケン・トンプソンによって設計され、2009年に公開されたプログラミング言語です。
その主な目的は、大規模なソフトウェア開発の生産性と効率を向上させることでした。
Goの特徴は、静的な型付け、優れた並行処理、ガベージコレクション、そしてシンプルな文法です。
これらの特性により、Goは高速で、安全性と同時に読みやすいプログラミング言語として確立されています。
それぞれの特徴について説明していきます。
静的型付け
静的型付けとは、変数やサブルーチンの引数、返り値などの値について、コンパイル時に型が決められるため、そのプログラムの実行よりも前にエラーとして検知できる仕組みです。
静的型付けは型情報が明示的に記載されるため、他の開発者がコードを読む際にその変数がどのようなデータを保持するか把握ができるため、コードの読みやすいため保守性が高い点がメリットです。
これらの要素により、開発者は品質の高い安全なプログラムを作成することができるため、静的型付けのプログラムは、大規模なプロジェクトに向いていると言えます。
並行処理
並行処理とはある時間の範囲において、複数のタスクを扱うことです。
並行処理を行うと、複数のCPUで並列に実行されるため、プログラムの実行時間が早くなります。
Go言語では、この並行処理のための機能を、「ゴールーチン」と「チャネル」を使って実現しています。
ゴールチンは、Go言語における非同期タスクの実行を可能にするための軽量なスレッドのような存在です。
ゴールチンはOSのスレッドよりもはるかに軽量で、メモリ消費量が少ないため、数十万、数百万という大量のゴールチンを同時に実行することが可能です。
チャネルは、Go言語におけるゴールチン間の通信を可能にするための仕組みです。これにより、ゴールチン間でデータの送受信や同期を行うことができます。
ガベージコレクション
ガベージコレクションは、プログラミング言語においてメモリ管理を自動化するための機能です。
プログラマーがメモリ管理の詳細について心配することなく、必要なメモリを確保し、不要になったメモリを解放することができるため、メモリリークや不正なメモリアクセスなどの問題が解消されます。
シンプルな文法
Goのシンプルな文法は、コードが短く読みやすく保守性を大幅に向上させています。
Goは25のキーワードしか含まれていないという、シンプルさを追求した設計で、プログラム未経験でも参入障壁が低い点はもちろん、ベテランのエンジニアにとっても高速にコードが書ける点が魅力です。
また、新たな開発者が既存のコードベースを理解しやすくすると同時に、コードの品質と一貫性が維持されるため、プロジェクトとしてもGoを採用するメリットは大きいです。
Goの主要な開発ツールや環境
Goの開発には、Go本体のコンパイラや標準ライブラリ、そしてIDE(統合開発環境)やエディタ(VS Code、GoLandなど)があります。
Visual Studio Code(VS Code)
VS Codeは、人気のあるオープンソースのテキストエディタで、Go言語の開発において広く使用されています。
Go言語用の拡張機能をインストールすることで、コードのシンタックスハイライト、自動補完、デバッグ機能、テスト実行などがサポートされます。
GoLand
GoLandは、JetBrainsによって開発された専用のGo言語IDEです。
Goの開発に特化しており、強力なコードエディタ、デバッガ、テストランナー、プロファイラなどの機能を提供します。
また、コードの自動補完やリファクタリング、リモートデバッグなど、Go開発に便利なツールも備えています。
これらのツールを活用することで、Goの開発効率や生産性を向上させることができます。
フリーランスのGo求人案件の種類
フリーランスのGo開発者としての仕事の種類は幅広く、主に以下のような求人案件の種類があります。
バックエンドエンジニア
Goの求人案件で最も多いのがバックエンドエンジニアです。
Goのバックエンドエンジニアは、以下のような役割や業務を担当します。
サーバーサイドアプリケーションの開発
Goを使用してサーバーサイドのアプリケーションを開発します。
主に、APIの設計やデータベースとのやり取り、ビジネスロジックの実装、サーバーサイドのアプリケーションは、フロントエンドやモバイルアプリとの連携やデータの処理、バックエンドのロジックの実行を担当します。
パフォーマンスとスケーラビリティの最適化
アプリケーションのパフォーマンスやスケーラビリティの最適化を行います。
Go言語の特徴である並行性や効率的な並行処理モデルを活用し、高速かつ拡張性のあるシステムを構築します。
インフラストラクチャの管理
アプリケーションのデプロイメントやインフラストラクチャの管理を行います。
クラウドサービス(AWS、GCPなど)でのシステム設計や運用、マイクロサービスアーキテクチャの構築などを行います。
ブロックチェーンエンジニア
最近では、Goを利用した分散型アプリケーションやスマートコントラクトの実装など、ブロックチェーンテクノロジーを活用した求人案件もあります。
Goのブロックチェーン開発者は、以下のような役割や業務を担当します。
プロトコル開発
ブロックチェーンの基礎となるプロトコルの設計や開発を行います。
分散ネットワークの通信プロトコルやコンセンサスアルゴリズム、データ構造などを実装し、ブロックチェーンの正確性とセキュリティを確保することが求められます。
スマートコントラクトの実装
スマートコントラクトは、ブロックチェーン上で自動実行されるプログラムです。
Goによるスマートコントラクトの開発を行い、分散アプリケーションやデジタルアセットの管理、契約の自動化、トークンの発行などを実現します。
ネットワークセキュリティ
ブロックチェーンエンジニアは、ネットワークのセキュリティに関する脆弱性を特定し、対策を行います。
暗号学やハッシュ関数、電子署名などのセキュリティ技術を理解し、ブロックチェーンの安全性を確保します。
フリーランスのGo求人案件の相場、案件例
フリーランスのGo開発者としての報酬は、経験やスキル、案件の規模や期間によりますが、テックバレーの求人案件の相場は、月額単価60~80万円が7割弱で、90万円以上が3割弱となっているため、プログラミング言語の中ではやや単価が高い方に分類されます。
案件については、サーバーサイド開発が最も多く、フロントエンド開発は1割ほどです。
仕事内容は、Goの並列処理の特性を活かした、「マイクロサービス」や「クラウドアプリケーション」の開発が多く、目新しい分野では、ブロックチェーンサービスやAIサービスの開発といったものもあります。
また、勤務形態がフルリモートワーク可能の案件が144件と全体の3割にも上り、Goがパフォーマンスが高く、クラウドアプリケーションの開発に強いことや、地域に拘らず間口を広げてでも、Goのエンジニアを採用したいということが分かります。
Go開発のキャリアパス
Go言語のキャリアパスは主にプログラミングスキルや経験値によって異なります。
ここでは、初級~上級エンジニアまでのキャリアパスを三つのレベルに分けて紹介します。
初級エンジニア
基本的なプログラミングの概念を理解し、Goの文法や構文に精通しており、シンプルなプログラムや機能を自己完結型で開発することができますが、一方で複雑なシステムや高度な問題解決にはまだ苦労するかもしれません。
初級レベルでは、Go言語の学習と実践を深め、小規模〜中規模のプログラミング開発ができる知識と技術を獲得することが目標となります。
中級エンジニア
Go言語を使用して複雑なプロジェクトでも対応ができ、大規模なシステムの設計と開発に携わることができます。
Goの並行処理のような高度な知識を有しており、パフォーマンスと効率性を最大化するための最適な設計パターンと実践方法を理解していることが求められます。
また、コードのテスト、デバッグ、ドキュメンテーション作成、そしてリファクタリングなどのソフトウェア開発における全般的なプロジェクトライフサイクルを熟知しています。
上級エンジニア
大規模で複雑なシステムの設計、開発、そして最適化を行う能力を持っています。
Goの開発技術だけではなく、プロジェクトチームにおけるリーダーシップを担い、プロジェクトのアーキテクチャと戦略的な決定を指導することが求められます。
また、他の開発者へのメンターシップや教育、新技術や手法の評価と採用など、組織全体の技術的な視点と方向性に影響を与える役割も果たします。
Go開発者がスキルアップするための方法
公式サイトである「The Go Programming Language」や、日本語の学習サイトである「golang.jp」、英語の学習サイトであれば、「Udemy」、「Codecademy」などのオンライン学習プラットフォームなどでGoのコースを提供しています。
また、Goで作成したプロジェクトをGitHubなどのプラットフォームで公開し、自身のスキルと経験を示すことで、スキルアップに繋がり、一定の技術があることを証明できる自身のポートフォリオにもなります。
Go開発のトレンドと将来展望
Goは、クラウドコンピューティングやマイクロサービスの増加とともに、ますますその重要性を増しています。
Goのコミュニティは活発で、新しいフレームワークやライブラリが次々と登場しており、これらのトレンドを追うことはGo開発者にとって重要です。
特に、GoはDockerやKubernetesなどの現代のクラウドベースのアプリケーション開発とデプロイメントにおいて重要な役割を果たすツールと相互に関連しています。
Docker
コンテナ化技術を提供するプラットフォームです。
アプリケーションとその依存関係をコンテナとしてパッケージ化することで、開発、テスト、デプロイメントのプロセスを効率化します。
コンテナは環境に依存せずに動作するため、"動作するはず"と"実際に動作する"というギャップを解消します。
Kubernetes
コンテナ化されたアプリケーションのデプロイ、スケーリング、そして管理を自動化するオープンソースのプラットフォームです。
大規模なアプリケーションの管理と運用を効率的に行うための多くの機能を提供します。
例えば、DockerはGoで書かれたアプリケーションのコンテナを作成することができ、そのコンテナはKubernetesによって管理・運用されます。
また、Kubernetes自体もGoで開発されており、これらのツールは一緒に使われることで、信頼性とスケーラビリティを備えたアプリケーションの開発とデプロイメントを支援しています。
これらのテクノロジーへの理解と経験は、現在および将来のGo開発者にとって重要なスキルとなります。
まとめ
本記事では、フリーランスのGo開発者としての市場動向、Goの基礎知識、求人案件の種類と相場、キャリアパス、そして将来の展望について詳しく説明しました。
開発元もGoogleという信頼性の高い起業のため、バックエンドの案件でもGoの募集が目立つようになってきています。
また、Goは新しいプログラミング言語ですので、未だ市場にはエンジニアが少ないため習得すれば仕事で有利になります。
ウェブ業界では、既存のプログラミング言語から処理性能が速いGoへの移行が始まっていますので、今後もGoの需要は増えることが見込まれます。